フロンや鉛、砒素等の有害物質を含むため、家電製品の処理は法令で定められるほど、厄介なものです。

よって家電の処分に費用がかかることは致し方ないことです。

では無料で家電の回収をしている業者はメリットがあるのでしょうか。

価値がなければ処分するしかないのですが、リサイクル料が発生する訳です。

家電を無料で引き取ったらむしろ損ですよね。

そんなリスクを抱えながら、どうして業者は、無料で回収するのでしょうか?

もちろん、リユース業者として使えそうなものは再利用する健全な業者も存在しています。

かし無料回収業者のほとんどは、リスクを抱えつつもその裏にはやはりリターンがあり、それを狙っているのです。

不用品回収業者が回収した製品のほとんどは、海外に輸出されます。

海外では、日本製の製品はかなりの需要があります。

例え日本で売られている現行の製品より質が落ちたとしても、そこは日本製、「ブランド力」があります。その利益を業者は狙っているのです。

需要があるので海外へ家電の不用品が輸出されるのですが、その際に、国内で重機を使って破砕・圧縮されます。

そこでフロンガスや鉛が放出し、環境汚染を引き起こすことがあります。

さらには、輸出された家電が輸出先で不適正に処分(野焼きしたり、不法投棄)され、深刻な環境汚染、健康被害を引き起こしている事例もあります。

(2013年にはエアコン約数十万台が中国へ違法に輸出されていたことが分かった)

上記の例を踏まえた上で、引っ越しで家電製品が不要になった時どのように処分したらいいでしょうか?海外輸出事業のリスク

特定家庭用機器再商品化法の施行により、リサイクル料金を支払って、家電小売業者に引き取ってもらうのが、一番いい方法ですよね。

郵便局窓口にて、リサイクル券を購入し、自ら指定場所に持ち込むという手もありますが、重量がありますので持ち込むのも大変ですよね。

費用はかかりますが、やはりプロに頼んで引き取りに来てもらいましょう。

または家電小売業者に引き取ってもらうか、価値があるのであれば、ちゃんと許可をもつリユース業者に引き取ってもらうか、知り合いにでも譲ってしまえば有効利用です。

海外輸出事業とバーゼル条約とは (バーゼル法)

そもそもバーゼル条約とは、欧米先進国からの廃棄物が1980年頃からアフリカの開発途上国に放置され、環境汚染の発生が目立つようになり、この問題に対する国際的な枠組みとして、制定された条約のことです。

日本も1993年の条約に加入、その履行のための国内法としてバーゼル法を定めているのです。

貨物がバーゼル法や廃棄物処理法の対象物に該当する場合には、外為法に基づく経済産業大臣の承認や環境大臣による環境保全上支障がない旨の確認を受ける必要があります。

(原則該当するものの一例・・医療廃棄物、医薬品、廃油等)また、該当しない場合も、税関に申告するときに、特定有害廃棄物に該当しないことの証明の提示が必要です。

(分析結果により客観的に有害性の有無が判断できる資料の提示、輸出入後にリサイクルされることが判断できる資料等)

つまり使わなくなった家電製品等を他国に輸出しようとした場合、バーゼル法に抵触する恐れがあるということ、バーセル条約の国内実施法として「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」(通称「バーゼル法」)と「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(通称「廃棄物処理法」)が施行されているということ、廃棄物を分類し、特定有害廃棄物と該当した物の輸出入を制限するものがバーゼル法だと言えるでしょう。

経済産業省および環境省では、輸出入しようと考えている貨物が、バーゼル条約の規制対象の特定有害廃棄物等に該当するかどうか事前相談を行っていますのでぜひ利用して下さい。